コラム 白内障

白内障以外にもこんなにある。犬の目の病気について

老犬になると気になる白内障。
犬の目が、はっきり白く濁って見えるなら、それは白内障かもしれません。

しかし犬の目の病気は、白内障だけではなく、数多くの病気があります。

犬の目って、こちらから見る限り、黒目がほとんどですよね。
なので充血していたり、多少の白濁は、気づきにくいんです。

以外に見落としがちで、飼い主が異変に気づいた時には症状がかなり進んでいることもあります。

飼い主さんがお年寄りの場合は、その飼主さんも目が悪くなってることがあるので、犬の目の異変に気づかないっていうパターンはとても多くあります。

犬の目の健康チェックは、定期的に動物病院で診てもらうのが一番。

今回は、見落としがちな犬の目の異変についてです。
白内障以外に、一体どんな病気がひそんでいるのでしょうか?

白内障だけじゃない !犬の目の病気の種類

緊急性の高い順に書いてみましたが、全ての目の症状は早めの治療が必要です。
日頃からの定期検査が早期発見につながるので、症状がわからない場合は獣医師に相談しましょう。
病院は先延ばしにせず、気づいた時点で行って上げて下さいね。

緊急性大 !今すぐ病院に行くべし !危険度★★★★★

緑内障

早期治療をしないと、失明してしまう恐い病気です。
初期の段階では気づかないことも多いですが、中期・後期になると目が赤色や緑色に見え、さらに重症化すると、眼球が外に飛び出してくるようになります。
非常に痛みが強いため、片目をつむったままの状態が続いたり、涙が大量にでたります。
痛みのあまり攻撃的になる場合もあるので、注意しなければいけません。

網膜剥離
原因はさまざまですが、飼い主が気づいた時には既に失明している場合もある恐い病気です。
痛がったりすることもほぼなく、症状がほとんどわからないため、定期的な目の検査が早期発見につながります。
片目が網膜剥離をおこした場合、もう片方も同じ網膜剥離を起こす危険性があるといわれています。
遺伝的要素が高いと言われていますが、稀に外傷や白内障の手術がきっかけで網膜剥離を起こす場合もあります。
白内障の手術をおこなっていでも、網膜剥離の手術はしない動物病院もあるので、信頼できる眼科専門の動物病院での診察治療をおすすめします。

早めの治療を。危険度★★★★

チェリーアイ
目頭の部分が盛り上がった状態が、さくらんぼのようになることから、チェリーアイと言われているようです。
ほとんどが先天性ですが、外傷をうけてしまうことでなってしまう場合もあります。
老犬より子犬に見られる事が多く、重度になると手術が必要になる場合もあります。
目を気にしてこすったり、掻いたりすることで、角膜炎や結膜炎を引き起こすこともあるので注意が必要です。

角膜炎
アレルギーによる角膜炎や、目に異物が入り傷がついたり、トリミングでシャンプーが目に入ったりなどが原因で起こります。
角膜の炎症は痛みが強く、しきりに目を気にしたり、目を細めたり目やにや涙が増えたりするので、目の周りが汚れてきます。
目をさわらせないようにするため、エリザベスカラーの着用が必要です。

結膜炎
犬の目の病気で最も多いのが、結膜炎です。
細菌感染やウイルス感染、ぶつけたり、ドライアイや乾燥などによってもおこります。
炎症をおこし、まぶたの裏が痒くなるので、顔を地面にこすりつけたり、前足で目を掻いたりするので、傷になり余計にひどくなる場合もあります。
目が充血したり、目やにが急に増えたりするなどの症状があらわれます。
特に目が大きいワンちゃんはかかりやすい傾向にあるため、注意が必要です。

飼い主の愛情ケアが必要 !危険度★★

ドライアイ
そもそも全てのワンちゃんはほとんどドライアイではないでしょうか?
人間も多いですよね、
名前の通り目が乾燥している状態なので、目薬やクリームなどで保護してあげる必要があります。
ドライアイも重症化すると失明の危険もあるので、日々の飼い主によるケアが大事です。

逆さまつげ
うちの亡くなった愛犬も逆さまつげでした。
子犬の頃から定期的に動物病院でまつげを抜いてもらっていましたが、いつからか生えてこなくなっていました。
ただ場所によっては角膜に傷をつけたり、涙が止まらない状態が続いたりするので、レーザーなどの手術をする場合もあるようです。

マナ

逆さまつげは獣医さんによる定期的なまつげ抜きが必要。でも暴れる子はできないので、手術でとることになるかもしれません。

犬の目の異変にいち早く気づくことが早期改善のポイント

愛犬の異変に気づくのが、最大の早期治療への道です。
健康チェックのときは、全身はもちろん、目もしっかりチェックしてみて下さい。
また、次のような症状が見られた時はすぐに動物病院へ

目掻いたり、こすったりしている。
目を細めたり、つむったままの状態が続いている。
赤く充血している。
突然目やにや涙の量が増えた。
物にぶつかったり、目が見えにくそうな感じがする。
目が飛び出してたような、眼球が大きくなったような感じがする。

その他にも、体のどこにも異常がなさそうなのに、痛そうにキュンキュン鳴いていたりする場合は、目が痛い場合もあります。
すぐに動物病院に行くようにして下さい。

まとめ

犬はしゃべることができません。
いち早く異常に気づいてあげることがもっとも重要です。
「そのうち治まるだろう。」
という甘い考えが、手遅れになる場合もあるのです。

犬は痛みに強いので、ギリギリまで我慢する傾向にあります。
大切な愛犬の目が、失われることのないよう、しっかり観察してあげて下さい。

 

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